そもそも国家資格って?

IT系の国家資格

 IT系の国家資格を紹介します。IT業界で活躍するには、スキルレベル1は見習いレベルで、少なくともスキルレベル2くらいの技術が必要になります。かっこ内は、その国家資格の根拠となる法律です。

●情報処理技術者(情報処理の促進に関する法律)
 情報処理技術者試験は、経済産業大臣認定の国家試験ですが、業務独占資格でも必置資格でも、また、名称独占資格でもないため、資格が認定か、あいまいな部分があります。といっても、SEやプログラマを目指すのであれば、もちろん就職・スキルアップには十分有利です。情報処理技術者は、スキルレベル1から4まであって、レベル1のITパスポート試験が最も基本的な試験になります。情報処理技術者試験の種類は以下の通りです。

◆ITパスポート試験・スキルレベル1
 情報処理技術者の最初の一歩で、情報処理技術者としての最低限の意識と技能を問われる試験です。ITパスポート試験の合格率は50%前後で、中学生や高校生でも合格する人がいる試験ですが、CBT形式ですのでそもそもパソコン操作ができない人は受験すらできません(ただし、障がい者などは筆記試験可能)。IT系職種を目指す人だけでなく、製造業やサービス業、金融業など、幅広い職種の人も試験を受けています。

◆基本情報技術者試験(FE)・スキルレベル2
 基本的知識・技能、実践的な能力を持っているかどうかが問われます。システム開発プロジェクトの一員として仕事ができるレベルはここから。想定される具体的なレベルは、内部設計書に基づいて、上位技術者の指導のもとにプログラム設計書を作る、標準的なアルゴリズムやデータ構造に関する知識に基づいて、プログラムを作る、作成したプログラムの単体テストを実施する、このようなものです。プログラマとして必須のレベルで、合格率は20%前後です。

◆応用情報技術者試験(AP)・スキルレベル3
 高度IT人材を目指そうと方向付けた人が受ける試験で、情報技術を活用した戦略立案に関し、担当業務に応用できる知識と技能のある人です。期待される技術水準は、提案活動に際して、提案書の一部を作成できる、アーキテクチャの設計において、適用できる技術の調査ができる、リーダの下でスコープ、予算、工程、品質などの管理ができるといったレベルになります。合格率は25%前後です。

◆高度情報処理技術者試験・スキルレベル4
 専門性の高い分野に特化した、知識・技能を問われる試験です。ITストラテジスト試験、システムアーキテクト試験、プロジェクトマネージャ試験、ネットワークスペシャリスト試験・データベーススペシャリスト試験、エンベデッドシステムスペシャリスト試験、情報セキュリティスペシャリスト試験、ITサービスマネージャ試験、システム監査技術者試験の10種類があります。スキルレベル4とひとくくりにはできず、合格率は異なります。ITストラテジスト試験は15%前後、システムアーキテクト試験は10%前後、プロジェクトマネージャ試験は10%以下、など、難易度や合格基準によって比較的合格しやすいものから難易度の高いものとさまざまです。